足場に関する基礎知識

マンションやアパート、一戸建て住宅の工事をする場合には、建物の周りに足場を設置することがあります。
では、一体どのような工事の時設置する必要があるのでしょうか。

 

外壁塗装

まず1つ目は、外壁塗装になります。
外壁塗装は、基本的に高圧洗浄と下地処理を行った後にようやく塗装をする流れです。
この高圧洗浄の段階ですでに建物周辺に設置していなければならないものです。
そうしなければ、2階建て以上の壁に高圧洗浄をすることが不可能になるからです。
その後、下地処理も塗料を塗る場合も設置が必要になると言えるでしょう。
これがなければ作業は進みませんが、最近は設置しなくても良い方法もあります。
例えば、ビルの上から人をつるして塗装をする方法です。
この方法を利用する場合には、高い建物の場合やあるいは設置するほどの空間がない場合です。
例えば、東京都内の23区であれば建物と建物の間の隙間があまりないこともあります。

 

雨漏り工事

次に、雨漏り工事で利用することもあります。
基本的に建物は、時間の経過とともに劣化しますが、厄介なのは雨漏りが発生している場合です。
雨漏りが発生すると、直ちに直す必要があるでしょう。
少なくとも、そのままの状態にしておいて状況が良くなるものではありません。
むしろ状況が悪くなる一方です。
このようなときには、足場を設置する必要があります。
とは言え、すべての雨漏り修理で設置が必要とは限りません。
例えば、天井裏から入って修理できる場面に関してはわざわざ設置をする必要は無いわけです。
設置をしないことにより、お金もそこまでかからないのが特徴です。
それ以外には、解体工事をする時も建物の周りに設置することが必要になります。
ある程度人力で建物を壊していき、最終的に重機などを使って解体工事をしていく流れです。
そのため、最初の数日のみの設置になると考えてよいです。

 

足場の種類

では、足場にはどのような種類があるのでしょうか。
工事現場によってあるいは会社によって使っているものが違うため事前にいくつかの種類を知っておくと良いです。

 

●くさび型

よく使われるタイプのものは、くさび型と呼ばれるものです。
工事現場で主に使用されているもので、解体工事や外壁塗装の時に役に立つでしょう。
これは、鉄パイプを組み立てて、鉄パイプと鉄パイプの間に作業者が歩く踏み板を設置していきます。
この特徴の1つは、短い時間で設置できることです。
例えば解体工事をする場合、工事する前の段階で設置しますがわずか1時間から2時間程度の設置が可能です。
当然ながら、解体する時もそこまで時間はかかりません。
また、ある程度高さのある建物でも利用できることです。
強度が高いため、地上45メートル位の建物に使用しても特に問題はありません。
それ以上高く設置してしまうと、強風にあおられて倒れる恐れもあるため注意が必要です。
それ以外の特徴は、耐久性が非常に高く料金も安いためコストパフォーマンスに優れていることです。
ただ問題点もあり、設置に場所を取ることになるため、建物と建物の間が狭い場所ではこれらを設置することができません。
あらかじめ住宅と住宅の距離がどれぐらいあるかを見てから設置するかどうかが決まってくるといえます。

参考:クサビ式足場のKRH株式会社についてのまとめ

 

●単管

2種類目は、単管と呼ばれるものです。
これは、鉄パイプを利用するのが基本です。
このタイプは、踏み板が存在しないため、職人が移動するときには鉄パイプの上を渡って行かなければいけません。
踏み板の代わりになる鉄パイプは、2本ずつ用意されています。
単管のメリットの1つは、設置費用があまりかからないことです。
そのため、少しでも安く工事をしたい場合にはこのタイプを選ぶと良いかもしれません。
2つ目は、設置に必要なスペースがあまりいらないことです。
これを設置する場合には、隣の建物と接近していても問題ないことが多いです。
さらには、組み立ての自由度が高いことにより、いろいろな建物に対応できることでしょう。
問題点もあり、くさび式等と比較すると安全性が高くないことです。
それ以外にも、足場そのものがないため手が塞がりやすくなることにより作業に時間がかかってしまう可能性があるでしょう。

 

●先行足場

3つ目の種類は、先行足場と呼ばれるものです。
これは、建物を新築する時などに利用される方法の1つで、手すりから組み立てていくため安全性が高いのが魅力です。
強い風が吹いても、作業員が下に落下するリスクは少なくなるでしょう。
ただ、安全性が高い一方で高く組むことができないため3階建て程度の建物にしか対応できない問題点があります。
それ以外には、建物が完成する前の段階で建設予定地を足場で囲わなければならないため、資材を持ち込む場合には一定の制限がかかることです。

 

まとめ

このように様々な種類がある中で、まず建物に合わせて設置するのが基本です。
次に、予算に合わせてどれを選ぶか決めなければいけません。
設置費用は建物や種類によっても異なりますが、一戸建て住宅の場合は15万円前後になることが多いと考えておきましょう。