洋上風力発電の特徴を知りたい

日本では、原子力発電を中心とした発電が行われていますが最近は可能な限りリスクの少ない発電が注目されています。
その理由の1つは、東日本大震災で福島第一原発に問題が生じたからです。
仮に原子力発電所がなかった場合、どのようにして発電をしたら良いか気になるところですが、自然をできるだけ生かした方法として風力発電の増強が考えられました。

ヨーロッパでは風力発電が増え続けている

実際に、ヨーロッパでは風力発電が増え続けています。
2011年より前からヨーロッパでは、洋上風力発電と呼ばれるものが開発されており、5年間で当初の3倍程度の数が出来上がっているほどです。
このように増強しているのは、それだけ安全性が高いからと言えるでしょう。
現在日本でも、風力発電が全くないわけではありません。
風力発電も、陸上のものが多く存在していますが、最近は洋上風力発電も少しずつ増えてきました。

参考になるサイト
Influx洋上風力発電

2018年10月に開かれていた臨時国会で成立した法律

そのきっかけとなったのが、2018年10月に開かれていた臨時国会で成立した法律です。
この法律を簡単に述べれば、洋上風力発電の開発を推し進めようとする法律といえます。
国がそのような方向性で動かしていることから、さらに洋上風力発電が増える事は想像に難くありません。
法律ができる前から、すでに海の上の風力発電はできており、2010年より前の段階で3000基ほど存在していました。
ところが、東日本大震災が起こった2011年以降は、数が一気に増強しています。
例えば2015年までには1万基を超えており、10年たたないうちに3倍以上になったことがわかっています。

地上で吹いている風よりも海の上で吹いている風の方が強い

なぜわざわざ海の上に大きな風力発電があるかと言えば、その理由の1つは風がよく吹いているからです。
地上で吹いている風よりも、海の上で吹いている風の方が強いとされています。
これは、昔からある帆掛け舟やヨット等をイメージすればわかるでしょう。
ヨットにはマストがついていますがこのマストは風を利用するわけです。
これは、地上ならばあまり意味がありませんが、海の上によく吹いている強風だからこそ意味があるといえます。
なぜ海の上は、強風が吹いているかと言えばその理由は障害物がほとんどないからです。
水だけだとすれば、ほとんど高低差もなくひたすら風が吹き抜けていきます。
この風を利用することで、発電を地上に置くよりもその数倍多くの電力を作ることができます。

大きな風車が倒れた場合、それが家等に被害を及ぼす可能性はほぼない

二つ目のメリットがあるとすれば、仮に大きな風車が倒れた場合、それが家等に被害を及ぼす可能性はほぼないことです。
地上のものは、風が吹いたことによりプロペラが落ちることもごく稀にあります。
もちろん普段から点検をしていればそのようなことが起こりませんが、予想外の台風などでかなりの強風が吹いた場合、やはり人工物であってもパーツの落下等は考えられます。
しかし海の上の場合には、仮に落下したとしてもたまたま船がそこを通っていない限り被害が出る事はまずありません。
そして、通常であれば船の航路とは全く関係ない場所に風力発電を作るわけです。

土地を買収する必要がない

それ以外のメリットは、土地を買収する必要がないことです。
陸地の場合には、土地の買収をめぐり地主と問題が生じるケースもあります。
また、大きな人工物を作ってしまうと、景観が悪くなり住民と争いになりなかなか計画が進まないことも考えられるでしょう。
ですがこれが海の上ならば、そのような問題がほぼ生じる事はありません。
あまり地上の近くに建築してしまうと問題ですが、通常は地上から離れたところに建築します。
これらのこと考えると、海上に風力発電を設置する理由は理解できたはずですが、ただ全く問題ないわけではありません。

設置費用がかなりかかる

その問題点の1つは、設置するのにずいぶんとお金がかかって言うことです。
地上の場合は、トラックなどが風力発電に必要なパーツを運んでくる事はできますが、海上の場合はトラックが往復することはできません。
この場合に必要になるのは、船の存在といえます。
まず、トラックを用いて港までパーツを運んで行きます。
そして、そのパーツをトラックからおろして船に積み込むわけです。
輸送する場合には大きな船を用いるため、それなりの費用はかかるものの、長期的に見ればより魅力的な計画であることがわかります。

浅瀬のところにしか建築できない

もう一つのデメリットがあるとすれば、浅瀬のところにしか建築できないことです。
海で言えば、陸上から少し離れたところで設置するわけですがそこが急に深くなっている場合設置が難しくなります。
しかし、遠浅の海などがあれば、設置する事はそれほど難しくありませんが遠浅の海はそれほど多いわけではありません。
このように考えると、建築をするときにいくつかの制限がある事は否めないといえます。
この洋上風力発電は、すべて国が企画したもので個人単位で行っているものはありません。

まとめ

つまり、その発電自体はソーラー発電等と異なり個人の所有物である可能性は無いわけです。
しかし今後は、発電がうまくいけば個人の所有物になる可能性も出てくるかもしれません。